Q.台東区ではワンルーム規制があり、サ付き住宅の建築を断念せざるを得ないのでしょうか。
A.これは、以前当協会が、江戸川区と交渉したものと同じ問題ですが、台東区は、集合住宅は専用面積は25u以上。総戸数が15戸以上の共同住宅は総戸数の3分の1を40u以上にするというもので、ワンルームには家族向け住戸を組み合わさなければならない条例のもとに、事業計画が認めないとの見解でした。
改めて、当協会が台東区の建築担当者と話をして明らかになったのは、未だに東京23区を中心に残る「ワンルーム規制」と建築の確認申請時の「用途」の問題です。「ワンルーム規制」は数十年前に若者向けの狭小ワンルームを規制する目的で、地域の環境保全のためにできたのですが、これが「サービス付き高齢者向け住宅」の建築の障害になるのは間違いありません。
台東区の建築担当者は「用途」が有料老人ホームであったら条例にはかからないとも言っています。容積率の緩和はありませんが、共同住宅ではなくなるので「ワンルーム」規制は関係ないということです。
しかし、国の方針として、借家権を確立し、一定以上の面積を持った高齢者の住まいとしての「サービス付き高齢者向け住宅」を促進するという方針から考えると、いかにも後ろ向きで、「規則を変えることが面倒だ」という理由のみからの回答であると思われます。
国と地方の考え方の違いは、最近とくに目立っていますが、地方が独自に地域の状態を考えて、国とあえて異なった施策を行うことは問題ないし、むしろ歓迎されるべきであると思いますが、地方の考え方の遅れや、不徹底による国の方針との差異は、国の方針に沿って事業を行おうとしている事業者にとっては、大きな障害になります。早急にこの様な規制は改善されるべきであると考えます。